モニカを殺せ、はSATCの原作者キャンディス・ブシュネルの最新作である。
ここ数年、彼女は夏に新作を発表している。
Killing Monicaの前半までは、いつもの調子でキャンディスらしさを存分エンジョイできる内容となっている。
彼女の作品は、毎回クライマックスが思いがけない方向に発展する。
そこまで読み進んで気分が盛り上がっている読者を、一気にジェットコースターで急降下させて、急旋回させる。
そんなサプライズに満ちている。
しかし、今回の作品はこのクライマックスが現実味に欠けている。
雷に打たれた後、消防車を呼ぶときに、なぜ突拍子もなく妹の名前を使ったのか
関係者に妹だと思われたとき、誤解を解く努力がもっとできたはず
なんとなく妹の名前を自称して、その後も妹に成りすますやり方は、不自然である。離婚問題を解決するのに、計画的にやるというほうが、まだ納得できる。
一番ありえないと思ったのは、離婚協議中の夫が看板と一緒につるし上げられて、罵倒される場面。
心の中でこれくらい仕返ししたいと思っても、実際公の場でやってしまうのは前代未聞。
そして、最後にメインの男性登場人物である自分の著作権エージェントが、実は自分の妹だったというオチも、ちょっとおかしい。
妹の存在と妹の秘密を隠す必要はない気がする。カミングアウトの時代だからね。
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