モニカを殺せ、はSATCの原作者キャンディス・ブシュネルの最新作である。
ここ数年、彼女は夏に新作を発表している。
Killing Monicaの前半までは、いつもの調子でキャンディスらしさを存分エンジョイできる内容となっている。
彼女の作品は、毎回クライマックスが思いがけない方向に発展する。
そこまで読み進んで気分が盛り上がっている読者を、一気にジェットコースターで急降下させて、急旋回させる。
そんなサプライズに満ちている。
しかし、今回の作品はこのクライマックスが現実味に欠けている。
雷に打たれた後、消防車を呼ぶときに、なぜ突拍子もなく妹の名前を使ったのか
関係者に妹だと思われたとき、誤解を解く努力がもっとできたはず
なんとなく妹の名前を自称して、その後も妹に成りすますやり方は、不自然である。離婚問題を解決するのに、計画的にやるというほうが、まだ納得できる。
一番ありえないと思ったのは、離婚協議中の夫が看板と一緒につるし上げられて、罵倒される場面。
心の中でこれくらい仕返ししたいと思っても、実際公の場でやってしまうのは前代未聞。
そして、最後にメインの男性登場人物である自分の著作権エージェントが、実は自分の妹だったというオチも、ちょっとおかしい。
妹の存在と妹の秘密を隠す必要はない気がする。カミングアウトの時代だからね。
Lu's Notes
火曜日, 1月 6
我们为什么写作?
“文章不是吃饱了饭没事做,写来作为消遣的;也不是恐怕被人家认作呆子痴汉,不得不找几句话来说说,然后勉勉强强动笔的。
凡是好的文章,必然有不得不写的缘故。自己有一种经验,一个意思,觉得它跟寻常的经验和意思有些不同,或者比较新鲜,或者特别深切,值得写下来作为个人生活的记录,将来需要用的时候还可以供查考:为了这个缘故,作者才提起笔来写文章。
否则就是自己心目中有少数或多数的人,由于彼此之间的关系,必须把经验和意思向他们倾诉:为了这个缘故,作者就提起笔来写文章。
前者为的是自己,后者为的是他人,总之都不是笔墨的游戏,无所谓的胡作妄为。”
凡是好的文章,必然有不得不写的缘故。自己有一种经验,一个意思,觉得它跟寻常的经验和意思有些不同,或者比较新鲜,或者特别深切,值得写下来作为个人生活的记录,将来需要用的时候还可以供查考:为了这个缘故,作者才提起笔来写文章。
否则就是自己心目中有少数或多数的人,由于彼此之间的关系,必须把经验和意思向他们倾诉:为了这个缘故,作者就提起笔来写文章。
前者为的是自己,后者为的是他人,总之都不是笔墨的游戏,无所谓的胡作妄为。”
金曜日, 9月 19
内容のある英語
最近読んでいる本の中に、二つの祖国を愛する人の複雑な気持ちを巧みに表現した印象的なワンシーンがある。
――――――――――――――――――――――――――――
「ではもし、日本の軍隊へ入ったあなたの弟と、アメリカの軍隊へ入ったあなた自身と、戦線でぶつかった場合、あなたは弟を銃で撃ち殺すことができますか」
賢治のアメリカ合衆国への忠誠を試すような聞き方をした。賢治の脳裏に、二つの国に別れて、相戦う自分たち兄弟の姿がうかび、胸迫った。
「弟を撃つことはできない、たとえ殺されても撃つことはできない」
体の中から絞り出すような声で云った。
「では、アメリカ軍と日本軍とが三百メートルの距離で向かい合ったとき、あなたはどうするか」
「もし、私が戦線へ出なければならぬ時は、日本軍と銃火をかわさずにすむヨーロッパ戦線を志願します」
「それでも、なおかつ、命令によって、日本軍とアメリカ軍が、相対峙(あいたいじ)したとき、あなたはどうするか」
軍服の審問官は、重ねて聞いた。賢治の額に汗がにじみ、そのような質問を発する相手に激しい怒りを覚えた。
「審問官ご自身が、ヨーロッパ戦線で兄弟や親せきと戦わねばならない立場に立った時、銃を向けられますか」
軍服の審問官は、ぐっと言葉に詰まったが、司法省関係らしい審問官が体を乗り出した。
「では、あなたの祖国は?」
とっさに答えられなかった。それは血肉を分けた兄弟が二つの国に別れて戦えるかという質問以上に、賢治の心を微妙にゆるがせた。賢治の瞼に、酒巻少尉の痘痕(あばた)面がうかんだ。タバコの火で顔を焼いてまで虜囚(りょしゅう)の恥辱から逃れようとした姿は、一つの国に殉じる人間像であった。
「どうしましたか、なぜ答えられないのです?」
「――血のつながり、民族的な意味では、日本が父祖(ふそ)の国ではありますが、私の国籍はアメリカであり、私の祖国はアメリカ合衆国です」
「では、あなたはアメリカ合衆国に対し、絶対の忠誠を誓えますね」
畳みかけて来た。賢治は、窓の外に翻(ひるがえ)る星条旗に視線を向け、
「アメリカ国籍を持つ日系二世の私が、日本人の子孫であるという理由だけで逮捕され、この軍キャンプに入れられたことは、ショックです――、アメリカ合衆国に裏切られたという、名状し難いショックです、そしてこの軍キャンプで、民間捕虜として、毎朝、星条旗を見上げる気持ちはどんなものか、到底、お解りいただけないでしょう・・・・・・、忠誠を疑われたり、試されたりすることなく、一つの国、一つの旗に忠誠を尽くすことができれば、どんなに倖せかと思います」
時々、言葉につかえたが、日系二世の苦渋に満ちた賢治の切々たる言葉は、審問官たちの心を搏(う)ったらしく、しんと静まりかえった。
「あなたの答えは、正直でした、そしてあなたの英語は、内容のある英語でした」
中央に坐った軍服の審問官が云った。
賢治は、審問(ヒアリング)が行われて五日目の朝、突然、釈放された。
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「ではもし、日本の軍隊へ入ったあなたの弟と、アメリカの軍隊へ入ったあなた自身と、戦線でぶつかった場合、あなたは弟を銃で撃ち殺すことができますか」
賢治のアメリカ合衆国への忠誠を試すような聞き方をした。賢治の脳裏に、二つの国に別れて、相戦う自分たち兄弟の姿がうかび、胸迫った。
「弟を撃つことはできない、たとえ殺されても撃つことはできない」
体の中から絞り出すような声で云った。
「では、アメリカ軍と日本軍とが三百メートルの距離で向かい合ったとき、あなたはどうするか」
「もし、私が戦線へ出なければならぬ時は、日本軍と銃火をかわさずにすむヨーロッパ戦線を志願します」
「それでも、なおかつ、命令によって、日本軍とアメリカ軍が、相対峙(あいたいじ)したとき、あなたはどうするか」
軍服の審問官は、重ねて聞いた。賢治の額に汗がにじみ、そのような質問を発する相手に激しい怒りを覚えた。
「審問官ご自身が、ヨーロッパ戦線で兄弟や親せきと戦わねばならない立場に立った時、銃を向けられますか」
軍服の審問官は、ぐっと言葉に詰まったが、司法省関係らしい審問官が体を乗り出した。
「では、あなたの祖国は?」
とっさに答えられなかった。それは血肉を分けた兄弟が二つの国に別れて戦えるかという質問以上に、賢治の心を微妙にゆるがせた。賢治の瞼に、酒巻少尉の痘痕(あばた)面がうかんだ。タバコの火で顔を焼いてまで虜囚(りょしゅう)の恥辱から逃れようとした姿は、一つの国に殉じる人間像であった。
「どうしましたか、なぜ答えられないのです?」
「――血のつながり、民族的な意味では、日本が父祖(ふそ)の国ではありますが、私の国籍はアメリカであり、私の祖国はアメリカ合衆国です」
「では、あなたはアメリカ合衆国に対し、絶対の忠誠を誓えますね」
畳みかけて来た。賢治は、窓の外に翻(ひるがえ)る星条旗に視線を向け、
「アメリカ国籍を持つ日系二世の私が、日本人の子孫であるという理由だけで逮捕され、この軍キャンプに入れられたことは、ショックです――、アメリカ合衆国に裏切られたという、名状し難いショックです、そしてこの軍キャンプで、民間捕虜として、毎朝、星条旗を見上げる気持ちはどんなものか、到底、お解りいただけないでしょう・・・・・・、忠誠を疑われたり、試されたりすることなく、一つの国、一つの旗に忠誠を尽くすことができれば、どんなに倖せかと思います」
時々、言葉につかえたが、日系二世の苦渋に満ちた賢治の切々たる言葉は、審問官たちの心を搏(う)ったらしく、しんと静まりかえった。
「あなたの答えは、正直でした、そしてあなたの英語は、内容のある英語でした」
中央に坐った軍服の審問官が云った。
賢治は、審問(ヒアリング)が行われて五日目の朝、突然、釈放された。
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